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フリーウェイのブレーキキャリパーOH
■最近はじめたRZ250RのリフレッシュついでにフリーウェイMF03のバッテンキャリパーΦ27をリフレッシュします。
外してから作業にかかると時間に制約が出来るので手持ちのフュージョン用バッテンキャリパーΦ27をオーバーホールして入れ替えです。
ピストンを抜き出す
■片押しキャリパーなのでピストンは対向ピストンに比べてとても長いです。奥に入ったまま固着しているとピストンツールで抜くのは困難です。ブレーキを装着して押し出すかエアーツールが無いと無理でしょう。
- 片方のピストンしか出てこない場合は抜けてしまわない様に工夫をしてください。
- ブレーキフルードが少ないとエア噛みするので注意。
■ある程度抜けたらピストンツールで抜き出します。このピストンプライヤーは適応ピストン内径が17~50mmまであり、ロック機構も使いやすいです。値段的にもSTRAIGHT/ストレートの工具がお勧めです。
■過去に買って失敗した商品も紹介しておきます。Amazonレビューが参考になります。これしか店頭になく仕方なく買ったのですが適応ピストン内径は32mmまでと微妙ですしロック機構はかなりいまいちです。
キャリパーを清掃する
■ピストンを抜き出すと黒いスラッジが沢山ありました。シールを取り外したら装着方向の有無を確かめるために向きを揃えて置いておきます。
■ニップル・バンジョーボルト・キャリパー横のブラインドボルト(ドレン?)も必ず取り外してネジ山部も清掃します。
キャリパー組んでからネジ山にゴミを発見すると面倒ですよ!
■キャリパーのシール溝は結晶化したフルードがこびりついていますので専用の工具で掃除をすることをお勧めします。
間に合わせの道具では汚れを取り切れません!
写真では使用しているのは撞木型の『キャリパーほじ郎』です。頭の幅は26.3mmでした。小さなピストンだと工具が入らない事もあるのでその時はL型のバイク用を使う必要がありますね。
シール溝の清掃が終わったらシリンダー内部の段差を#2500で仕上げています。(番手は参考程度に、、)
キャリパーの組み立て
■今回使うシールは06431-MA3-405です《モノタロウ》
2つピストンがあるので購入は2個になります。
■シールの向きが無いことを確認したので装着します。ピカールで磨いたピストンとシールにはシリコングリスを塗ります。スポーツ走行する訳でも無いのでAZのシリコングリス・高温用にしました。(シールキットに付属してる場合はそちらを使います)
シールを傷めない様に慎重にピストンを入れます。ある程度まで押し込むとストンと入りました。ピストンツールで動かしてシールと馴染ませます。
■この部分もグリスが乾いているので外して清掃とグリスアップ。ダストブーツの取り外しは丁寧に。
■ニッシン純正のブレーキパッドとパッドピンに薄くグリスを塗って組み立てたら終了です。車体に装着しエア抜きも難なく終わり終了です。
キャリパー組み立て時のグリース使い分け
★キャリパーでのグリスの使い分け一例です。シリコングリスは高温に耐えるものを1本持っておくと用途が広いですね。
- ピストンとシールにはラバーグリースorシリコングリース
- スライドピンにはシリコングリス
- パッドにはモリブデングリースorシリコングリース
装着後の感想
■純正のブレーキパッドがいまいち?なのか効きは良く無いですが初期制動が格段に良くなり驚いています。低速域での扱いは楽になりました。
古い年式だからブレーキこんなもんですと言うのはオーバーホールと良いパッドに交換してからですね。
使っていたキャリパーの状態
■ピストンを抜いて内部とシールを確認したのですが、こまめにフルード交換をしていた割には結晶化している部分もあり結構汚れていていました。ピストンは綺麗でしたがシリンダー内部にはうっすら立てキズも(過去に付いた傷だと思う)。。綺麗に清掃をして次のオーバーホール時まで保管することにします。とりあえず感じた事は、
想像より汚かったことにびっくりしました。
※因みにホンダで推奨されているキャリパーのゴム類の定期交換時期は4年です。他の箇所も書いてある通りに交換できたらベストですね。
Honda | バイク | MAINTENANCE NOTE | 点検整備について
※新車時から車検ごとにフルード交換をしていた車輛でも結晶化している事例があるので4年ごとのオーバーホールは必要??なのかもしれません。
気になった商品2点
その1:ラバーグリース
■気になった商品があったのですが、『スーパーゾイル ラバーグリース』の商品の説明にスラッジを生成する事が無いと書いてあり、マスターカップを開けた時に漂う黒いスラッジはグリースが変質した物なのか気になってきました。
ZOIL RUBBER GREASEの基油はブレーキ液と同系統の特殊合成潤滑油を使用しており、ブレーキ液との相溶性、適合性に優れています。
また、本製品は化学的に極めて安定しており、高温でも酸化重合せずスラッジを生成することがありません。
SUPER ZOIL ラバーグリース(金属表面改質剤配合・消音グリース)
■密閉空間でメンテナンスサイクルの長い部分には高性能な物を使う方が良い気がします。月に一度しか乗らない大型バイクなどは特に気を付けたいところかもしれません。XJRでは使用してみたいと思います。
その2:激安キャリパーアッシー
■びっくりすることにキャリパーサポート、キャリパーアッシー、パッド付で2000円という商品があります、、、、、(ヤフオク!にも出品あり)
後期型ですが問題無く取り付けは出来るとして、『オーバーホールの手間をかけてパッドとシールを交換するくらいなら全部交換してしまえ!』とかなり乱暴な商品です😅
海外では日本の中古バイクは人気でしょうしこのキャリパーの適合車種は多かったはず。性能が全く分からないのですが検証用に購入しても良いかもしれません。。。既に使っている人のレビューを聞いてみたいですけどね。
適合ブレーキパッド一覧
■フリーウェイのキャリパーは前期・後期とありパッドの形状が違います。他にも探せばヤフオク!などにローターとセット販売の物、1000円以下の安価な物まであります。
小さいバイクとはいえ250ccで重さもスピードも出ますので信頼のできるメーカーにする方が良いかなと思います。
前期純正品番 45105-KL8-712
SBS HF:777-0572000 HS:777-0572020
ベスラ SD-123/2 KM-123/2
EVOLUTION EV-123D
PFP PF123/2 マスターパッド
※リンク先はAmazonです
最後に
■なんとなく面倒な場所なので車検時かパッドが無くなるまで放置してしまいますが、レバーに触れても反応が遅いブレーキでは楽しく乗れないのでメンテナンスは必須だと思いました。
フロントを軽く引きずりたい時など細かい入力にはオーバーホールが一番ですね。
それではまた!